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EC業務の課題と解決策―RPAの活用でECサイト運営はどのように変わる?

ECサイトの運営は、規模が拡大するにつれて業務が複雑化し煩雑になりやすいものです。複雑化した業務は担当者の疲弊を招きます。増員によって負担を減らすことは可能かもしれませんが、人を増やすだけでは根本的な解決とはなりません。業務そのものを効率化し、業務をスムーズに進められる体制を整えるのが理想です。ECサイトの運営において業務複雑化が生じる背景と、RPAを活用した解決手法をご紹介します。

ECサイト運営の業務課題

ECサイトの運営は、実店舗での営業に比べ少人数で行うことができます。しかし、バックオフィスにおいてマネジメントしなければならない業務は多く、決して少ない労力で運営していけるわけではありません。システム連携や情報管理など、マネジメントに関する環境が整っていなければ非効率な業務を続けることとなります。その結果、蓄積された非効率業務が一気に押し寄せ、負担が限界を超えてしまう可能性があります。

例えば、次のような業務は多くのECサイト運営で課題となっています。

1:受注管理のフローが煩雑

受発注管理はECの業務のなかでも特にフローが煩雑になりやすく、タスクも複雑になりがちな業務です。

実店舗にて従来から販売している商品を取り扱うECサイトを立ち上げたものの、長い付き合いのある顧客が専用の発注フォームを使ってくれないことも少なくありません。ECサイトのシステムを利用してもらえず、そのままメールで発注を受け続けるというのもよくあるケースです。こういった場合、自社システムへ手作業で入力しなければならず、EC部門の運営に人手が必要になります。
また、請求書を求められたり、納期回答が必要だったりといった要求がある場合も、受発注業務を煩雑にする理由となります。

このように、受注管理のフローが整っていない場合は業務を圧迫する原因となります。

2:商品登録業務に膨大な時間をとられる

ECサイトを立ち上げる際には従来から販売している商品の一部のみを取り扱う予定で開始したものの、顧客の要望によって取扱商品を増やすことになる場合があります。ECサイトが顧客に受け入れられるにつれて、同時に購入したい商品も取り扱うことを求められ、商品拡充が求められるケースです。新規スタートの場合でも、ニーズに応えることで同様の課題が生じがちです。
結果的に商品点数は増加し、商品の頻繁な入れ替えも必要になっていきます。このとき、ECサイトの管理システムと直接販売の在庫管理システムが連携していないことにより、別々に商品登録しなければならないという二度手間が発生するケースもあります。

このようなケースでは、商品点数が増加するにつれて商品登録にとられる時間が数倍にも跳ね上がることがあります。

3:発送業務でのミス防止に念入りなチェックが必要

ECサイトの運営が軌道に乗ると増えていくのが、出荷業務に割く時間です。商品の準備や梱包、送り状の印刷といった出荷業務に時間がとられ、発送対応が遅れることで全体の売り上げを落としてしまうこともあります。

また、取扱商品が増えることで在庫ステータスの管理や発送管理は多様化・複雑化していきます。それによって発送ミスや発送漏れといった、信用に関わるミスも発生しやすくなります。
こういったミスを防ぐため、念入りなチェック体制を構築しても、ミスを完全に排除することは困難です。また、それに時間を費やすことでさらに業務を圧迫するという悪循環になることも考えられます。

ほかにも、出荷業務において受発注システムと送り状の印刷ソフトが連携されていないため、毎回コピーアンドペーストして何度も確認するといった手間が発生しているというケースもあります。このようなケースでは、さらに数倍もの時間を要するにもかかわらず、ミスの発生を完全に防止できるわけではありません。

4:販促業務に使う時間がない

売り上げの増加によって受発注や発送の業務が増加し、販促活動に使える時間がなくなってしまっているケースもあります。

他社ではどういった商品が売れているのか、情報サイトではどういった商品がおすすめされているのかといった情報は、ニーズの変化に敏感なジャンルのEC運営では、非常に重要です。こういった情報の収集を手作業で行っていた場合、売り上げが増えたことによりそれをするための時間をとれなくなり、その結果、数カ月後には売り上げが伸びなくなるということもあります。

販促業務の重要性は理解しているものの、現在の販売業務に追われているうちに販促活動ができず売り上げを落としてしまうということは、EC運営で起こりがちな課題です。

ECサイトの管理にRPAという解決策

こういった、ECサイトの運営が軌道に乗り始めたタイミングで発生してくる課題は、多くの場合「業務量」と「人手」のバランスが崩れることが原因です。

受注から発送までの業務全般が、売り上げ増加にともなって加速的に増加し、対応が追いつかなくなるのはその典型です。また、商品展開を広げたことによって業務が複雑化して、マネジメントが負担になり追いつかなくなる、といったケースも同様です。

そこで、これらの課題に対する解決策として有効なのが、業務効率化が得意なRPAの導入です。RPAはEC運営の管理においてどのように活用できるのか、ご紹介します。

シームレスなシステム連携

順調に受注を伸ばすECサイト運営でよくあるのが、それぞれの業務で使うシステムを順次導入したことによって、システムが連携されていないというケースです。

このような場合、複数のシステムに同じ内容を入力・コピーアンドペーストする、といった作業が必要になります。これらを手作業で行っていることで、受発注業務、商品登録業務に多くの時間と労力が費やされることになります。

RPAは、こういった既存のシステムやデータベースと連携し、それぞれのシステム間のデータ移動も自動化することが可能です。シームレスなデータ連携により、これまで手作業で行っていた業務を自動化し、ミス防止にもつながります。

情報のスクレイピング

RPAは、Web上の情報を収集するスクレイピングも得意とします。Web上で公開されている情報のなかから特定のワードが含まれる文章を抽出したり、商品の価格情報を集めたりすることなどが可能です。こういった情報収集に加えて、それをもとにした一覧表や比較表の作成まで自動で行えます。

販促活動に使う時間がなくなりがちな繁忙期においても、人手をかけることなくニーズの動向に関する新鮮な情報を仕入れ続けることができます。

管理システムとの連携

RPAはシステム間のデータ連携を得意としていることから、EC運営で利用しているシステムの情報を一元管理することも可能です。これにより、EC運営全体のシステムを自動化することができます。

例えば、EC管理システムと倉庫管理システムを連携し、配送ステータスの更新や通知の送信、定期便の更新などを自動で行うことが可能です。また、基幹システムとの連携により、受発注の一連業務を自動化することもできます。

このようにRPAを活用することで、人員を増やすことなくこれまでの業務を効率化が可能です。これまで煩雑な作業に取られていた時間を削減し、空いた時間を付加価値の高い業務にあてることができます。これは、単純に効率化が進むだけではなく、事業拡大への道が開けることを意味します。

RPAの活用によってEC運営の課題を解決した具体的な事例は、「RPA活用によるEC業務の改善事例集―自動化によって業務効率化を実現

」でご紹介しておりますので是非ご覧ください。

RPA活用によるEC業務の改善事例集―自動化によって業務効率化を実現

RPAの活用でECサイトの運営を次のステップへ

ECサイトの運営に関して、抱えている課題と、その解決策としてのRPAの活用法をご紹介しました。ECサイトの運営は軌道に乗り始めた時期から作業量が増大するだけでなく、フローも複雑化しがちなため業務が大きく圧迫されるケースが少なくありません。こういった場合に、人員を増やして対応するのではコストのバランスが取れないことも多く、利益確保が難しくなります。

このような状況で、課題の解決に有効なのがRPAの活用です。RPAを活用すればシステムの連携やデータ活用を自動化し、ECサイトの運営をさらに次のステップへと進めることができます。

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この記事を書いた人

Chiho Suzuki
Chiho Suzuki

2021年にオートロへジョイン。マーケティング領域に幅広く携わり、戦略策定から各種施策の実行まで一気通貫で行っています。最近はゲームと釣りにハマっています。