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RPA導入で得られる効果と、検証に役立つ測定方法についてご紹介!

RPAツールの存在については知っているものの、どのようなことができるのか曖昧であったり、効果の測定方法について悩んでいたりする方も多いと思います。RPAに限らず、ツールの導入に際しては期待できる効果を明確にし、経営陣に投資の決裁を仰がねばならないことがほとんどでしょう。またツールの導入後も、その効果をしっかりとレポートする必要があります。今回はRPAの導入で得られる効果と、定量的、定性的効果の測定方法などについて解説します。

RPAで得られる効果

RPA導入後の効果測定についてお話しする前に、期待できるRPA導入の効果について確認しておきましょう。導入する職種や工程にもよりますが、一般的には次のような効果が期待できます。

作業自動化による効率化

RPAには、人間が作業するときに発生するムラのようなものがありません。常に一定のペースで作業を進めることができ、病欠や有休取得による代替要員の検討をする必要もありません。RPAによって作業を自動化することで、効率化と共に作業の安定化が実現できます。

24時間稼働可能

RPAは24時間365日、停止することなく稼働します。2019年4月から施行されている働き方改革関連法では、年次有給休暇の確実な取得が義務づけられていますが(※)、RPAであればその必要はありません。特に連続稼働が必要な作業は、大きなメリットと言えるでしょう。

※10日以上の年次有給休暇が付与されるすべての労働者に対し、毎年5日、時季を指定して有給休暇を与える必要がある。

コスト削減

RPA導入による大きな効果のひとつが、コスト削減です。作業効率の向上や生産性の向上もコストに影響しますが、このあとに説明する「残業代の削減」や「人材の最適配置」による人件費の削減などは、最も顕著な効果と言えるでしょう。

作業効率化による残業削減

働き方改革関連法より、月の「時間外労働時間」が45時間に制限され、年間でも360時間を超えることはできなくなりました。このような状況下で生産性を上げていくには、人間ではなくRPAなどを使った作業の自動化、または作業の効率化が必要になります。

人材の最適配置

RPAに任せる仕事と人間が本来しなければならない仕事を分けることで、人材の有効活用と最適配置が可能になります。効率化による人材不足の解消が期待されるほか、反復作業や単純作業ではない、より重要な仕事に従事させることで本人のモチベーションアップにもつながります。

作業ミスによる手戻り解消

RPAは、サーバーやネットワークのトラブルでもない限り、基本的に故障しません。人間の作業でよくある、ミスによる手戻り(修正)作業などを回避することができます。

人によるチェックの省力化

誰かが行った作業や入力ミスなどをほかの人がチェックするには、多くの工数を必要とします。例えば経費精算や各種申請の内容チェックのため、月末に経理担当の残業が多くなるのはこれが原因でしょう。RPAの導入により、入力のチェックから差し戻し、再申請の確認までを自動化すればチェック作業の省力化が実現できます。ある会社では勤怠チェック、タイムカードの打刻確認や通知にRPAを導入し、月70時間あったチェック工数をゼロにできました。

本事例の詳細は「打刻チェック業務を月70時間削減! 別業務へも範囲を広げた「業務自動化プラットフォーム」へ」をご覧ください。

また、業務効率化については「業務効率化とは?メリットや注意点、進め方のポイントを解説」をご覧ください。

RPAの効果測定方法

ここからはRPAの導入効果をどのように測定するのか、その具体的な方法を見ていきましょう。

定量的な測定方法

まず、「定量的な測定方法」をご紹介します。

時間数による削減効果確認

一番手間がかからず容易に行える測定方法が、導入前の作業時間数と導入後の時間数を比較することです。導入前と導入後の作業時間を「30分かかっていた作業時間が5分になった」のように測定・記録をしていけば、このデータをもとに削減できた人件費が計算できます。

RPAで削減できた人件費の具体例

ある作業にRPAを導入し、今まで人間が行っていた作業を完全に自動化できた場合、以下のような計算でその削減効果を確認することができます。

【削減できた年間の人件費】=「対象業務1件の処理にかかっていた時間」×「年間処理件数」×「業務担当者の時給」

作業時間の計測は、作業の効率化を図るためにはとても有効な方法です。またRPAは、さまざまな業界で導入効果を発揮しています。ここでいくつか、その具体例をご紹介します。

業界ごとの具体例

不動産業界

不動産業界でよく取り上げられる手間のかかる作業には、「業者間流通サイトからの物件取得と入力作業」や「空室物件の更新作業や最新情報のメンテナンス」などがあります。ある不動産会社では、物件取得作業を毎日手動で実施しており、作業に1人1日2時間以上かかっていました。その会社では企業間流通サイトのフォーマットの違いなどで追加作業や人的ミスが頻発、この修正作業も含めとても効率の悪い状態でした。

本作業へのRPA導入後は、1人当たりの作業量が80%以上削減され、月数十時間以上の業務削減を達成したのです。ミスを削減しながら業務のスピードアップを実現しています。

広告業界

求人広告サイトを運営するWebサービス企業では、先行して導入したCRM(顧客関係管理システム)をスマートフォンで使えるようにしたところ、従業員から好評を得たため、ほかにもテクノロジーを使って業務改善できるものが社内にあるのではないかと考え、社内横断のRPA化プロジェクトを発足させました。まずは新規取引先登録の業務フローにRPAを取り入れ、年間1,500時間ほどの工数削減と手続きのスピードアップを実現し、ほかにも顧客への検収遅延通知発送や、SEO対策のためのWebサイトクローリング自動化などで、業務の効率化を成功させています。

本事例について詳しくは「半年で全部署にAUTOROを展開、50人分の労働力化に成功」をご覧ください。

マーケティング業界

デジタルDRM事業、海外事業、Tech事業などを展開するデジタルマーケティング企業では、クラウド型RPAの導入により毎日3時間を費やしていたトラブルシューティングをたった5分に短縮できました。同社は以前からWebブラウザ画面の操作にオンプレミス型のRPAを導入していましたが、従来のRPAは画像認識で動く仕様であったためUI(User Interface)の更新に弱く、頻繁にRPAが止まってしまうことに悩まされていました。

このエラー対応やトラブルシューティングには1日3時間ほど費やしており、効率が低下していましたが要素指定可能なクラウド型RPA(AUTORO)を導入し、これを5分以下に短縮しています。本事例は目的に合ったRPAを導入することにより、更なる効率改善が可能なことを表す事例と言えるでしょう。

本事例について詳しくは「毎日3時間を費やしていたトラブルシューティングがたったの5分に」をご覧ください。

コールセンター業界

住関連の緊急サポートサービス等を行うコールセンターでの事例です。同コールセンターでは、一回の受電ごとに内容の記録、関係者へのメールなど、クローズまでの手間が多いことと、それにより人的ミスのリスクがあることが課題でした。受電から記録を残して案件をクローズする処理だけで1日のメール数が2,000件にものぼります。しかし受電後のオペレーションをRPAにより自動化することで正確性と安定性が向上しました。また同社では、品質管理のために音声データのモニタリングも行っていますが、一人の評価ごとに音声サンプルを3つダウンロードしておく必要があるなど、合計で600回のダウンロード作業が発生していました。その部分を自動化することで業務削減を実現させました。

本事例について詳しくは「1日2,000件のメールを自動処理!コールセンターの管理業務にRPAを導入」をご覧ください。

定性的な効果も確認する

RPAの導入による効果は、定量的に数値として測れるものばかりではありません。実際には定性的な効果も多くありますので、ここで確認しておきましょう。例えばミス撲滅による波及効果がその良い例です。ケアレスミスやヒューマンエラーは物理的な被害が大きい場合もあるのですが、想像以上に深刻なのが心理的ダメージです。複雑な作業によってミスが発生したとしても人は自分の責任と思ってしまうことが多く、ミスの頻発はモチベーションの低下につながります。複雑な作業は単純な工程が積み重なっていることも多いので、このような作業はRPAに任せてしまうのが得策でしょう。

また、RPAの導入はセキュリティの向上などにも寄与しますが、これも定量的に測れない効果のひとつでしょう。情報漏えい事案の約80%は、企業内部での管理に問題があるという報告もあります。顧客リストの更新など個人情報を扱うような業務は、なるべく人の手や目に触れないように自動化してしまうのが情報漏えいへの対策となります。

RPAツール導入時のポイント

最後に、RPAツールを導入するに当たってのポイントについてご紹介します。次のようなステップで導入を検討するのが一般的ですが、検討に当たっては情報システム部門のような専門部署だけでなく、実際に導入を検討する部門の担当者も交え、複数人で判断を行いましょう。

  1. 業務フローの棚卸し

    入念な書き出しによって現在の業務フローの棚卸しを行う

  2. 自動化できる作業の検証

    書き出したフローの中に自動化できる業務があるかどうかを検討する。同時に現状フローの問題点も洗い出し、自動化による解決を試みる

  3. 導入前後で費用対効果を計測

    どのようにして効果を測定できるか判断する。定量的効果と定性的効果を分けて列挙する

株式会社チュートリアルでは、RPA比較、導入のポイントや事例などを紹介しています。
【比較検討シート付き】RPA比較・導入のポイントや事例などをご紹介

RPAの導入では事前に期待する効果の明確化を!

RPAの導入で重要なことは、あらかじめシステムの導入によって期待する効果を明確にしておくことです。効果の目的が明確になっていれば導入前後の差を明確にすることができるのはもちろん、効果の出にくい業務にRPAを適用してしまうことも防げるからです。RPAによって解決したい、非効率が問題となっている業務をしっかり見極めてから導入の検討を進めていきましょう。

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この記事を書いた人

Haruna Ishikawa
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